国の補助金を受け取ることができず、謝罪する島根県薬事衛生課の宮本毅課長(左)と県健康福祉総務課の内部宏課長=松江市殿町、島根県庁
国の補助金を受け取ることができず、謝罪する島根県薬事衛生課の宮本毅課長(左)と県健康福祉総務課の内部宏課長=松江市殿町、島根県庁

 島根県が10日、医療機関などが感染症に備えるための経費への国の補助金で申請漏れがあり、2024年度分の一部補助金44万5千円を受け取れなかったと発表した。未交付分は県負担として支払う。

 補助は、県と医療措置協定を結ぶ医療機関や薬局、訪問看護事業所が対象。病室整備や空気清浄機などの購入にかかる費用を県と国が全額または一部を補助する制度で、24年5月10日までに県内の38事業者から43件の申請があった。

 県健康福祉部によると、1医療機関から2件89万円分の「事業計画書」をメールで受け取っていたにもかかわらず、県薬事衛生課の職員が保存し忘れ、県が国に提出する一覧表から漏れたという。作成する際に複数の職員で確認していなかったのが原因としている。

 同11月に医療機関から交付決定の内示がないとの問い合わせを受けて発覚。国に追加交付が可能かどうかを照会したものの、困難との回答があり、国が負担するはずだった事業費の半額を受け取れなかった。

 10日の定例会見で、丸山達也知事は「県の独自財源で賄うこととなり、県民の皆さまに心からおわび申し上げる」と謝罪。県薬事衛生課の宮本毅課長は「複数職員による組織的な確認体制を徹底する」と話した。

(原暁)