29日午後5時20分ごろ、福岡県中間市中間2丁目にある双葉保育園の駐車場で、園関係者から「送迎バス内で園児が倒れている」と県警に通報があった。登園時に使ったバス内から園に通う同市土手ノ内3丁目の倉掛冬生ちゃん(5)が意識がない状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。目立った外傷はなく、司法解剖の結果、死因は熱中症だった。

 県警や園関係者によると、登園時は40代の女性園長がほぼ毎日、1人で運転。他の職員は乗っていなかった。冬生ちゃんはバス到着から発見まで約9時間閉じ込められた可能性があり、県警は業務上過失致死などの疑いも視野に、降車時の態勢やバス内の状況を調べている。

 県警などによると、園長は「(冬生ちゃんを)乗せた認識はあるが、降りたと思っていた。確認したわけではない」と説明。「園児を降ろした後に施錠した」とも話している。

 バスが園に到着したのは29日午前8時半ごろ。母親(37)が「帰りのバスから子どもが降りてこない」と園に連絡し、午後5時15分ごろ、園関係者が登園で使ったバス内で倒れている冬生ちゃんを見つけた。乗車時は後方に座っていたが、前方の席で見つかり、付近にはバッグもあった。

 市によると、担任は「欠席」との認識だったが、家族に確認の連絡はしていなかった。降車確認は園長と女性保育士の計2人が担当。バスの中で泣いた別の園児をあやしながら作業したといい、市は確認が不十分になった可能性があるとみている。

 福岡管区気象台によると、29日は近隣の北九州市八幡西区で午前11時に33・1度の最高気温を記録した。