短歌 安部 歌子選

とき長く咲きたる萩も秋闌けて朝々小花こぼす庭隅        松 江 古和 嗣男

  【評】萩(はぎ)の花の生態をうまく促えた一首と思う。三句目に置いた「秋闌(た)けて」が、絶妙。上句から下句への流れに無理がなく、定型にまとめた手堅い一首。

グラウンドゴルフのクラブさばく手は胃カメラ繰りし医師にてありき 

                               出 雲 花田 敦子

  【評】仲間の一人は元医師。クラブをさばいているあの手で、かつては胃力メラを操っていたの...