取り組みの成果を紹介する島根職業能力開発短期大学校の学生=江津市江津町、市総合市民センター
取り組みの成果を紹介する島根職業能力開発短期大学校の学生=江津市江津町、市総合市民センター

 今春、卒業予定の江津工業高校3年生と島根職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ島根)2年生の計6グループによる研究発表会が31日、江津市江津町、市総合市民センターであった。ものづくりを通して地域貢献や課題解決を探った1年間の成果を披露した。

 ポリテクカレッジ島根の生産技術科と電子情報技術科の4人は、「からくり箱」(高さ150センチ、幅45センチ、奥行き50センチ)を水族館アクアスのサメ水槽前に設置した。箱の内部にはドタブカをモチーフに3Dプリンターで作った模型を入れた。

 円形のハンドルを回すと海のような青い揺らぐ光で内部が照らされる。想定した年齢より幼い子どもの利用があり、足場を設けた。現在は持ち帰り、改良して3月上旬に再設置する。生産技術科の月森世那(せな)さん(20)は「多くの人に利用しやすいよう工夫していきたい」と話した。

 江津工業の機械・ロボット科4人は市内に工場がある第一稀元素化学工業(大阪市)の依頼で、広島工業大学(広島市)と研究。工業用水を活用したマイクロ水力発電機を3年越しで開発した。2年間の同校での研究を引き継ぎ、水車の羽形状を変えるなどして発電できるよう改善した。

 発表会は市や県などでつくる実行委員会が主催し、7回目。市民や企業関係者ら300人が訪れた。(村上栄太郎)