俳句 高木朱星選

父の日や卒寿の父にさとされし   安 来 上田さち子

 【評】九十歳になってもなお矍鑠(かくしゃく)としておられる父をもつ仕合わせを詠まれた、父の日に当たっての感懐の一句であろう。

蛍火やタイムマシンで子に帰る   江 津 大岩 郁夫

 【評】幻想を呼び起こす神秘的とも見える蛍のひかり、子どもの頃に遊んだ蛍狩り、昔読んだSFのタイムマシンで子どもの頃に逆戻りして遊ぶ、いつまでも童心を失わない夢の世界を詠まれた。

初蛍幼き日々を懐かしむ      出 雲 森脇 英徳 ...