島根県川本町が2025年度、島根中央高校(川本町川本)の生徒を対象とした公設民営の学習塾を校内に開設する方針を決めた。国公立大や難関私立大への進学を志す生徒の学力向上を支援して同校の魅力を高め、生徒確保につなげる狙い。
計画によると、学習塾「島根中央みらい創生学館(仮称)」は25年8月、校内の学習ルームに開設する。学習塾を専門的に運営する民間業者に委託し、講師2人が受験の主要教科を個別やオンラインで指導する。
平日と土曜に開講し、時間は平日が午後3時~同9時で、部活動後も利用できるように配慮した。土曜は午前10時~午後6時。塾の使用料は月額5500円から1万1千円程度までを想定する。初年度は30人の利用を見込む。
同校は全国トップの実力を誇るカヌー部や、山陰両県で最初に創部した女子硬式野球部といった特色ある部活動があり、県外からの入学者が11年度の4人から24年度は32人に増えた。
学校説明会で保護者から学習指導の強化を求める声があり、大学受験に向けた学習環境を整備しようと塾の開設方針を固めた。25年度一般会計当初予算案に関連予算2100万円を計上する。委託業者はプロポーザル方式で選定する。
町まちづくり推進課の伊藤和哉課長は「島根中央高校や地域とタッグを組みながら、新たな魅力をつくりたい」と話した。
町によると、県内の公設塾はほかに飯南、邑南、津和野、吉賀、海士の5町にあるという。(佐伯学)