運行を始めたタクシー事業者のライドシェア車両=松江市上東川津町、松江一畑交通
運行を始めたタクシー事業者のライドシェア車両=松江市上東川津町、松江一畑交通

 松江市内のタクシー事業者3社による「日本版ライドシェア」の実証実験が17日、始まった。高齢者の通院や買い物利用などを想定。運転手不足でタクシーがつかまりにくい平日午前中に最大9台が稼働し、地域の移動手段の維持につなげる。平日午前のみの運行は、中国5県で初めてとなる。

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 日本版ライドシェアは2種免許を持たない一般のドライバーが、タクシー会社の管理の下、国が許可した地域や期間、時間帯、車両数に限って乗客を有償で運ぶ仕組み。

 国土交通省中国運輸局から許可を受けた、松江一畑交通(松江市上東川津町)と第一交通(同市東朝日町)、水都タクシー(同市東津田町)が各3台を運行する。市内を運行エリアに、時間は平日の午前7時から同11時までで各社とも電話で配車を受け付ける。料金はタクシーとほぼ同じという。

 実証実験に関連し、市はライドシェア運転手の採用、研修や衛生費に関する経費など1人5万6千~25万8千円を補助。3月末までの利用状況の結果を踏まえて、関係者が今後の利用の在り方を検討する。

 松江一畑交通の本社であった出発式で、同社の立脇等社長が「乗務員に安全な運転をしっかりと指導した」と述べ、上定昭仁松江市長は「利用して利便性を確かめていただきたい」と利用を求めた。

 日本版ライドシェアは島根県内では益田市匹見町を営業区域に許可されている。(多賀芳文)