出雲市が21日、保存修理工事が進む国の重要文化財・旧大社駅(出雲市大社町北荒木)の一般公開を2026年4月に始めると明らかにした。非公開だった貴賓室の見学や調度品なども展示する。敷地内に設ける建物で市民イベントなどを開催できるようにする。
市によると、駅内部にある貴賓室は勅使の休憩の場で、入り口や窓から見学できるようにする。県指定文化財の机や椅子などの調度品や、鉄道関連資料をテーマに合わせて展示する。
敷地内に整備する建物では、関連資料の保管や展示をするほか、ミニキッチンや多目的スペースも設け、市民がイベントやワークショップを楽しめる場所として活用する。駅舎やプラットホームでは鉄道体験やマルシェの開催も検討する。
市議会本会議で長廻利行市議(平成クラブ)の一般質問に対し、市民文化部の三成敏幸部長が「当時の内部空間を体感できる場として駅舎の魅力を伝えたい」と話した。
駅舎は木造桟瓦(さんがわら)ぶき平屋の建築面積約441平方メートルで、1924年に完成。保存修理工事は市が2021年2月に始めた。25年12月の工事完了後は内覧会も予定する。建物は市が当面の間、直営で管理する。
(片山皓平)