中の原スキー場(鳥取県大山町大山)の2025年度以降の指定管理者が決まっていない。指定管理する日本交通子会社のだいせんリゾート(同)との協定が3月で切れる中、鳥取県大山町は26日、25年度以降の公募に応じた事業者はいなかったと発表した。町は、日交グループと期間延長に向けた交渉に入る方針で、3月定例町議会の会期中に関連議案を提出する。

 大山寺地区には、中の原のほかに「豪円山」「上の原」「国際」のスキー場がある。いずれも日交グループの企業が所有し「だいせんホワイトリゾート」として一体的に営業している。町はこれまで1期5年間の協定を締結、更新して指定管理してきた。

 3月末の期間終了を前に、町は日交グループの意向などを踏まえ、次の更新は難しいと判断。指定管理期間を3年に短縮し、1月27日から2月21日まで公募していた。

 応募がなかったのを受け、町は25年度末までの1年間を想定した期間延長を日交グループに求める。

 町商工観光課の源光靖課長は、日交グループ側も1年間の期間延長を受け入れる意向があるとし「スキー場は町の観光や経済に大きな影響力がある。日交グループの思いを確認しながら調整する」と述べた。

 1年の延長が決まった場合は25年度中に改めて公募する。再び応募がなければ「町として主体的に取り組む」(源光課長)とし、町の直営も含めて検討する考えを示した。

 日交グループは直営する豪円山、上の原、国際の3エリアの運営についても、中の原の方針が定まるまでは未定としている。日本交通の岩田基志取締役は期間の延長について「町から動きがあれば相談に乗る」と話した。(中村和磨)