前原一誠
前原一誠

 山陰中央新報社文化センターの特別講座「維新十傑・前原一誠のルーツは日御碕」が17日、出雲市今市町の出雲教室で開かれる。反乱を起こした前原が出雲市大社町の日御碕地区で捕まったことはよく知られるが、先祖をたどると日御碕に行き着く不思議な縁を解説する。

 講師は前原を長年研究する元島根県古代文化センター長の宍道正年さん。

 前原は長州藩士を経て明治政府で要職に就くが、下野し1876年に「萩の乱」を起こして失敗した。日本海を北上する途中に大社町の宇龍港で捕らえられ、萩で処刑された。

 前原の母方の先祖は現在の雲南市大東町佐世を拠点にした戦国武将・佐世氏。近年明らかになった史料で、佐世氏の初代は室町時代に日御碕神社の宮司家から来たことが分かったという。講座では、こうした前原と日御碕の系譜上のつながりを分かりやすく話す。

 宍道さんは「偶然とはいえ、ルーツのある日御碕の玄関口の宇龍港に入ってきたのは不思議な縁を感じる。多くの人に知ってもらいたい」と受講を呼び掛けた。

 午後2時~3時半。受講料2200円。問い合わせ、申し込みは出雲教室、電話0853(23)0456、フリーダイヤル(0120)230457。