スマートフォンの翻訳機能を通して、日本語とトルコ語でのたどたどしい会話が続く。
「この子、ビタミン剤を飲ませてもすぐに吐いてしまうんです。心配で」
「粉ミルクをあげてるの? だったら必要なビタミンは入ってるから、ビタミン剤は飲ませなくていいよ」
赤ちゃんを抱いた若いクルド人の母親は安心して、次々とトルコ語で日本人の支援者に質問する。マンションの1室にはクルド人の女性2人と彼女らの幼い子どもたち4人がいた。別の部屋には学校に行っていないのか、男子中学生がスマホに見入っていた。
女性たちにカメラを向けると、それまでの笑顔が凍り付いた。在日クルド人は日々、盗撮の恐怖におびえているためだ。
埼玉県南部の川口市、蕨市にはトルコの少数民族クルド人が多く住み、「ワラビスタン」と呼ばれることも。正確な...