松江市鹿島町で出土した品々を紹介する赤沢秀則館長=松江市鹿島町名分、鹿島歴史民俗資料館
松江市鹿島町で出土した品々を紹介する赤沢秀則館長=松江市鹿島町名分、鹿島歴史民俗資料館

 企画展「発掘された海の記憶」が、松江市鹿島町名分の鹿島歴史民俗資料館で開かれている。奥才古墳群(松江市鹿島町名分)から広がった木棺が日本海側に広く分布することや、時代による出土品の変遷が来場者の興味を引いている。30日まで。

 宍道湖と日本海をつなぐ海上交通の拠点として栄えた同町で、古代の古墳や遺跡から出土した約400点が並ぶ。

 小規模な方墳や円墳が群集する古墳時代前期の奥才古墳群で見つかった木棺は、遺体の下に砂利を敷き詰めて埋葬している。同様の方法は古墳時代中期から後期の京都府北部や九州北部でも見られるといい、鹿島町から広がった可能性があるという。

 木製の履物は、弥生時代の四つ穴から古墳時代は三つになるなど時代を追って変化することも伝える。

 企画した赤沢秀則館長は「時代ごとに変わる出土品の変化を見てほしい」と来館を呼びかける。午前9時~午後5時、一般・大学生300円、高校生以下無料。(林李奈)