
―日本食品保蔵科学会から産業技術功労賞を受賞しました。
当社のこれまでの米飯加工に関する取り組み全体と、その功績を認めていただいたものと思っています。社業に携わってきたすべての方々に感謝し、喜びを分かち合いたいです。今後も社会課題の解決につながる商品の開発を続けていきたいと、あらためて思っています。
―災害が頻発する中で、求められる商品に変化はありますか。
長期保存だけでなく、おいしさが求められます。2024年には食物繊維やプロテインなどを配合した新商品「からだを想う野菜スープ」を発売しました。おいしさの追求はもとより、被災地で不足しがちな栄養素もプラスした商品となっています。このほか、誰もが安心して食べられるようにアレルギーやハラールに対応した商品も提供しています。

―災害食以外の商品も多様です。
「出雲のおもてなし 丹波大納言小豆のお赤飯」は、ジャパン・フード・セレクションでグランプリを受賞した看板商品で、贈答品などでご活用いただいています。また、過去より玄米の研究を続けています。ヴィーガン認証を取得している「ぷちっともち玄米」は、玄米が本来もっている高い栄養価を損なうことなく加工しており、日常食で健康をサポートできる商品です。
―環境にも配慮しています。
災害食には昨年より米由来の原料をつかったライスレジンのスプーンを採用しています。
―周辺の環境変化をどう捉えていますか。
米価の上昇により苦しい営業環境ですが、供給が滞ることは回避したいです。コメの生産者の高齢化、後継者不足は否めず、概算金のアップなど農業所得が向上する構造に少しずつでも変わっていけば状況改善につながると考えています。24年12月からITソリューション部を新設し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を含めた業務改革に取り組む態勢を整えました。今後ますます深刻化する労働力不足を省人化や省力化で補っていきたいと思います。


いつもギラギラとして情熱的であってほしい。
諦めないでほしい、いつだって君の選択が正しい。
林 隆史=出雲市出身(56歳) 2021年1月に現職に就任。休日は、身体の劣化を防ぐためにランニングとウエイトトレーニングをします。どちらとも優しく、緩いモードでやってます。朝はガツンと深煎りのコーヒーを、夜は樽臭いワインをゆっくり飲む時間を楽しみにしています。
