―松江ニューアーバンホテルを改装し、宍道湖を一望できるテラス「スカイトップテラス」でのサービスが4月に始まります。
インバウンド(訪日客)を意識して造りました。テラスは宍道湖沿いの立地を生かして、湖全体を見渡せるほか、晴れた日には大山も見えます。地方のビジネスホテルとして大手と差別化を図るために、この景色を価値あるものにしようと考えました。外国人と国内のミドル層をターゲットに、ツインの客室で1人1泊1万3千円程度まで単価を上げます。スカイトップテラスで楽しい思い出をつくり、もう一度行きたいと思ってもらえる環境を提供したいと考えています。

―江津市に構える商業施設「舞乃市」を大規模改修し、今春には新しい施設「なぎの木テラス」がオープンします。地域における役割をどう考えておられますか。
この事業は、総務省が地域密着型の新規事業を支援する「ローカル10000プロジェクト」の採択を受け、江津市と共同で進めました。江津市は1945年をピークに人口が減少し、少子高齢化が大きな課題です。山陰道の出雲インターチェンジ(IC)出雲多伎IC間の開通により、他地域からの交通アクセスが良くなっていることも生かし、地域住民らが交流できる縁側のようなイメージで取り組みました。施設内にはレストランがあり、地元産の野菜をつかったサラダバーを提供し、地域の魅力を伝えていきます。従業員も増やしてサービスを充実させる計画です。

 

―第三種旅行業の取得にかかわる、今後の動きを聞かせて下さい。
4月から、宿泊ツアーなどを企画して販売を始めます。宿泊するだけではなく、外国人が満足できるような島根の風土や歴史文化を伝える、通訳ガイド付きの体験型ツアーなどの提供を予定しています。ホテル周辺の飲食店や観光施設と連携しながら、松江の文化がより楽しめるようなプランを企画し、松江の魅力が多くの人に広まってほしいと考えています。

 

成功の対義語は失敗ではなく、何もしないことです。失敗を恐れずチャレンしてほしいと思います。
「前例がない」と反対する頭の固い大人がいるかもしれませんが、反対されること、失敗から得たことにこそ成功が潜んでいます。挑戦して、失敗して、成長してほしいです。それが実現できる会社であり続けるよう、私もチャレンジを続けます。

植田裕一=61歳 島根県江津市出身、2013年より現職。
50歳を過ぎて父親になり、5歳と7歳の姉妹の子育てに翻弄されながらも楽しい日々を過ごしています。

元々仕事人間でしたが、子育てを経験して仕事への認識は変化しました。すべて自分で把握していないと気が済まなかったのが、周囲に任せるようになりました。昨日できなかったことが今日はできるようになっている娘の姿に刺激を受け、日々成長するよう取り組んでいます。