ー休暇や長時間労働の規制を盛り込んだ改正労働基準法が2024年4月に施行されました。
依頼主の指定工期などによって波はありますが、週休2日制や労働時間の縮減を実現させたいと努力しています。直近の24年12月期は島根県内の病院や学校の建築、山陰道整備といった公共事業の受注が好調でした。省力化、業務効率改善や社員の負担軽減につながるデジタル・トランスフォーメーション(DX)や、情報通信技術(ICT)の導入を進め、将来的には、人工知能(AI)も活用したいと考えています。

ー新たな分野への取り組みを聞かせてください。
25年のスローガンは「新技術、新分野への挑戦」です。建築では、木材とコンクリートの利点を組み合わせたハイブリッド木造建築に挑戦します。直交集成板(CLT)と呼ばれ、板を直角に交わるよう重ねて接着した木材を利用して、環境に優しい中高層建築や住宅建築に取り組んでいます。まずは、オフィス受注を目指します。

ー有能な人材確保と育成が鍵を握りそうですね。
技術者不足の克服は建設業界全体の課題です。希望する社員が、会社に籍を置きながら島根職業能力開発短期大学校(江津市)や島根県立東部高等技術校(出雲市)に通える制度を5年以上前に導入しました。知識の習得と資格取得期間の短縮につながる試みで、人材育成に生かします。建築物やインフラは造るだけでなく、維持することも必要で、業界には社会的な責任もあります。

ー江津商工会議所の会頭に就任して2年がたちました。
50年までに二酸化炭素(C)の排出量を実質ゼロとする「ゼロカーボンシティ」を目指す江津市と連携した取り組みを模索しています。さらに、島根県西部「石見国」全体の振興が大切だと考えています。山陰道が順次開通し、互いの時間距離が近くなっており、広域周遊観光の実現や、萩・石見空港などの利用促進で、石見国全体の底上げを図りたいと思います。

 


新政府により【地方創生2.0】という計画が発表されました。今こそ地方の力が試されています。
その力の源こそが “若者の力”そのものではないでしょうか。
また 中堅企業という 伸びしろのある企業が多いともいわれる地方こそで 貴方の力をはっきしてみましょう!

今井久師=島根県江津市出身(61歳)2003年4月に現職に就任。

昨年、会社ユニフォームを刷新したが、一番、よく似合っていると社内で盛り上がっている。“チャレンジ”というテーマから社業もさることながら、江津商工会議所の会頭として、率先して地域発展に日々活動し、リーダーシップを発揮している。
また、バイク好きが高じて、会社敷地内に「今井二輪神社」を建立し、ツーリングの拠点として地域の発展に一役買っている。