―通信事業はインフラ設備として生活に欠かせない存在です。
人工知能(AI)や第5世代通信(5G)など情報通信技術(ICT)が急速に発展し、通信は生活の基盤になっています。ほかのインフラ設備の操作にも関わるため、通常時も災害時も通信を途絶えさせないことが使命です。通信を守るため、自治体やほかのインフラ事業者と情報連携し、協力体制の確立に努めています。

―島根県美郷町で2024年11月に始めた自動運転EV(電気自動車)の実証実験の成果は。
中心部の往復2・4キロをほぼ運転手が操作せず、衛星利用測位システム(GPS)やセンサーなどの情報を基に、3Dマップで設定したルートを自動で走る実験をしました。交通手段がない住民の支援やバスの運転手不足の解決策につながります。

利用者の7割が再度利用したいと答えた一方、凸凹した山道や電波の届きづらい地域で走行できるのか検証が必要です。特に中山間部で問題となる電波の届きづらい地域での走行は衛星通信やマルチキャリア対応可能なクラウドSIMの利用を検討するなど、経済面も意識しつつ、ICTを活用して自治体が抱える課題を共に解決したいと考えています。

 

―野球やソフトテニスなど、子ども向けのスポーツ教室を開催し、地域貢献に取り組んでいます。
父の実家が雲南市加茂町で、島根は自分のルーツがある地です。地域課題の解決に加えて、島根の魅力を高めることで地域を発展させたいと考えています。子どもたちに生き生きと過ごしてもらうことが地域の活性化や魅力の向上につながります。

25年2月にはNTT西日本ソフトテニス部から世界選手権国別対抗で優勝した内田理久選手(浜田市出身)ら4人を招いた教室を開き、中学生270人が集まりました。私も現地に赴き、子どもたちが輝いた目で選手と触れ合う様子を見て、地域の盛り上がりを感じました。島根の未来を担う子どもたちが夢に向かっていくための原動力につなげてほしいと願っています。

 

いよいよ始まる大阪・関西万博にてNTTグループは次世代情報通信基盤「IOWN」により空間を繋ぎ、距離を超え互いに存在を感じあう「コミュニケーションの未来」を展示します。

先の1970年万博では、ワイヤレステレホン「未来の電話」を体験頂きました。55年後の今、携帯電話社会が当たり前に実現しています。

ICT技術を活用した、未来社会の牽引役はデジタルネイティブ世代の皆さまです。ワクワクする未来の山陰エリアを思い描き、「あったらいいな」の実現を信じてチャレンジしてみて下さい。

福島 悦子=岡山県浅口市出身(51歳)2024年に現職に就任。
趣味は旅行、ヨガ、ハイキング。美しい自然の中を歩くことが好きです。

神々の国での神社仏閣参拝や歴史探索が楽しく、週末は島根の文化に触れられるスポットを巡っています。父方の実家は雲南市加茂町で、幼い頃から帰省しておりました。大阪、広島、東京へ赴任しましたが、自身のルーツがあるこの地で勤務できるご縁を大変嬉しく感じています。