
―国家資格の「消防設備士」とはどのような業務を担いますか。
一人でも多くの命を守るため、有事の際に消火器や火災報知機などの消防設備がしっかりと作動するかどうかの点検や整備をしています。点検で交換が必要だと分かる設備は数多く、火災から住民の安全を守るために必要不可欠な業務です。
法律で義務化されている定期的な消防設備点検は、消防設備士の資格が必要なため、安定した職業であるといえます。消防設備業界のほかに、ビルメンテナンス業界や警備業界など、さまざまな分野で活躍できることも魅力です。
―施設の点検に関して管理者らが注意することはありますか。
近年、粗悪な点検をする業者が横行しており、信頼できる点検業者を選定することが重要です。点検の信頼性を高めるために組織された島根県消防設備協会に加盟している事業者は、県や各消防機関などの審査を受けており、安心して点検を任せられる業者だと認定されています。

―点検率向上に向け、どのような取り組みをしていますか。
2023年3月末時点で島根県内の点検率は49・9%で、全国平均の55・2%を下回っているのが現状です。関係する消防機関、消防設備安全センター、都道府県消防設備協会、消防関係工業会が相互協力の下に、それぞれの役割に応じて建物の関係者に対して周知・徹底に努めることが必要です。消防設備協会では、火災予防運動などに合わせて、パンフレット、リーフレットなどを作成製し、配布を行っています。
―点検率の向上は県民の安全安心につながりますか。
各種講習会などを通じて、点検・報告制度の周知や点検済表示制度による適正な点検の実施などを広報しています。特に25年度は県内の消防本部と連携して、点検未実施の関係者に対して、郵送などによる点検の働きかけを行う取り組みを展開します。火災の未然防止に向け、消防関係の方々と協働で取り組み、より安全で安心な島根の発展につながることを願っています。

「妥協と諦め」は命取り。星の瞬きにも満たない人の一生。一度きりの人生、消防設備業という仕事に賭けてみませんか!
国家資格である消防設備士は、ビルなどにある消防設備の施行・点検をする専門家。いつの時代でも求められる仕事で、安定性があり年を取っても続けられる利点もあります。近年では女性の進出傾向から「資格女子力」が発揮できる職場でもあります。多くの人が当たり前と感じる『安全』を人知れず陰で支える技術集団なのです。さあ、一緒に挑戦を!
出雲正樹 = 島根県益田市出身(69歳)2016年に現職に就任
空に憧れてパイロットを目指した時期もありましたが、大学卒業を機に稼業の防災業を引き継ぎました。創業以来93年続く弊社は、本社を置く益田地域はもとより今では県内全域の安全安心を担っています。
更に、県内3空港に納めた空港用大型消防車を通じ、あの憧れだった空の安全安心の一翼も担っています。念ずれば必ず花開く!と信じています。
