
―自然災害が多発する中、地域防災において消防団が担う役割は重みを増しています。
近年はこれまで経験したことがないような災害の発生が相次いでいます。南海トラフ巨大地震発生も予測される中、消防団は訓練や勉強会を通して備えを進めています。豪雨災害などの被災地を消防団員が視察し、対応を学ぶ取り組みも実施しています。
―全国的に消防団員の減少が進んでいます。
2024年10月時点の消防団員数は1万523人で、定員に対する充足率は88・5%です。20年時点から約千人が減少しました。被雇用者の増加などさまざまな原因があるとみられますが、減少の度合いは徐々に緩やかになってきています。24年10月現在で250人が在籍し、避難所開設や防火啓発でも役割を担う女性団員も含め、団員の確保に取り組みます。
団員になれば、さまざまな研修を通して知見や技術が身に付くついたり、地域の方々とのつながりができたりします。操法も火災現場で使用する機械器具をきちんと扱えることを第一目標に活動しています。

―団員確保に向けた取り組みはありますか。
消防団をよく知ってもらうことが重要で、島根県内ではさまざまな取り組みが行われています。松江市では小学校3年生向けに消防団の仕事を紹介する副読本を作成しました。出初め式で小学生が放水を体験し、ご家族にも理解を深めて頂いています。消防車の乗車や器具に触れる体験コーナーには行列ができました。
―消防団には防災の面でも大きな役割が期待されています。
地図を用いて河川の氾濫や山崩れといった被害の予想と対策を検討する図上訓練を実施しています。地元の事情に最も詳しいのは消防団です。有事の際には、日頃ごろからの人間関係が大事になると考えています。学んだことを地域住民に伝え、防災リーダーとして役割を果たせるよう、団員のスキルアップに努めていきます。

若い人たちには多くの社会経験を積んで欲しいです。その経験が将来の力になると信じています。
その経験の一部を消防団で培ってみませんか。
世の中に奉仕をしたい人、自分の力を社会で試したい人は男女を問わず求めています。消防団への加入を待っています!
松浦嘉昭=島根県松江市出身(83歳)2010年に現職に就任
昨年7月、宝塚市から要請を受け宝塚市大使に就任しました。スポーツ少年団を通して50年余り、牡丹も20年にわたり交流してきました。今後も松江市と宝塚市の発展に貢献していきたいです。趣味は写真で、スポーツ写真や季節の変わり目を撮影するのが好きです。
