
―損害保険業界はカルテルなど一連の不祥事を受け、改革を進めています。
悪しき慣習をなくし、より一層の情報管理体制の強化とコンプライアンスの徹底が求められています。信頼回復の途上ですが、生まれ変わるチャンスと捉えています。「顧客最優先」を第一に、健全な競争環境の中で商品力や営業力によって切磋琢磨(せっさたくま)する方向を目指しています。
―具体的な取り組みは。
事後的な保険から一歩踏み出し、予防や早期復旧を手助けするビジネスモデルと社会貢献サービスの一層の強化です。損保会社の最大の使命は、事故や災害時の迅速な保険金支払いです。自然災害が頻発する中、それは当然として、事故を予防したり事故や災害が起きた時に早期復旧の提案をしたりする防災・減災サービス充実が不可欠です。一環として、日本政策投資銀行と連携し、企業の防災対策支援や水災害プロジェクトなど新たなサービス提供を進めています。業界でいち早く進出した介護事業も予防的な観点からです。

―地域連携を強化しています。
松江市と2025年1月、地域防災力の向上を目指した包括連携協定を結びました。全社的に、災害時に損害調査としてドローン撮影した映像や音声を行政の災害本部に提供しています。災害時を想定した宿泊施設や交通機関との連携も進めています。市民向けの防災研修や健康啓発の催しも行います。24年度、各支店の代表らで構成する地域課題解決のプロジェクトチームを発足し、女性活躍をテーマに活動しました。地域防災や交通問題など各地域が抱える課題は異なり、各地の実情に応じたテーマ設定で地域に貢献します。
―今後の展開を教えてください。
グループでは25年度に経営体制を変更し、従来の4部門体制から、国内損保事業と海外保険事業、国内生保事業と介護事業の2部門に集約します。海外や各地域の先進事例を取り入れ、還元できるスケールメリットの強みを十分に活用し、グループパーパス「安心安全健康であふれる未来へ」の実現を目指します。


損害保険は、地域の暮らしを支える大切な仕事です。例えば新しいビジネスに挑戦するときのアドバイスや、自然災害から大切な家を守るお手伝いなど、様々な場面で人々のチャレンジを応援しています。地域貢献に意欲的で、お客さまの立場で考え行動できる人、そして変化を恐れずに新しいことにチャレンジできる人と一緒に働きたいと思っています。
桃井 潤=東京都出身(47歳)2025年に現職に就任。 営業(本店・福島・宮崎)、人事(採用・教育)、労働組合(書記長)、秘書部(役員室)を歴任。特に福島では東日本大震災を経験し、保険の尊さを身をもって感じました。 宮崎県(延岡)の観光大使になったことがきっかけで学んだ古事記・日本書紀に伝わる、山陰の豊かな歴史と文化、そして美しい自然に強い憧れを抱いています。神話や歴史を巡り、皆様と交流し、山陰の魅力を多くの方に伝えたいと考えています。
