―地域経済の現状をどう見ていますか。
住宅需要は堅調ですが、出雲市内で山陰道が全通し、公共事業には一服感が出ています。製造業やサービス業では人手不足が深刻で、需要がありながら生産量を増やせなかったり、サービスを拡大できなかったりすることが懸念されています。

―日銀の利上げで「金利のある世界」に戻りました。
金利があるのは経済としては正常な状態で、貸出金も伸びています。しかし低金利に慣れ過ぎ、上昇について行けない中小企業があるのも確かです。資金繰りを支援するため、長期資金で融資するなど柔軟な対応を心がけています。一方、足元では預金の獲得競争が激しくなりました。信金は営業エリアでしか融資ができません。大切な預金を地域の企業や個人のために役立てている点を理解してもらい、共感を呼ぶ商品づくりを進めていきます。

―店舗を大切にしています。
2024年は江津支店をリニューアルし、25年は久手支店の移転新築を予定しています。JRの駅に隣接しており、地域のにぎわい創造に役立つことを願っています。店舗の維持にこだわるのはお客さまと対面する関係を大切にしたいからです。金融機関としてではなく、常にお客さまの視点に立って考えていきます。

―「しまね女性の活躍応援企業表彰」を受けるなど、働きやすい職場づくりを進めています。
誰もが窓口、渉外、貸し付けの3業務を習得し、誰が休んでも、店舗業務が回るようにしています。産休や育休は取りやすくなり、今は男性の育休取得率も100%です。業務が増えて大変になるという心配もありましたが、それぞれが多種の業務をこなせるようになることで、仕事が楽になりました。

―今年2月に能登半島の復興を応援する定期をつくりました。
被災地の石川県七尾市の取り組みを基に創業支援の仕組みをつくった縁があり、土地柄もこちらとよく似ています。少しでも復興の役に立てるとうれしいです。

 

中央しんきんはface to faceをモットーとしております。デジタル社会だからこそ、コミュニケーション能力と課題解決能力を身に着けていただきたいと思います。
そのためには自分の殻に閉じこもらず、積極的に外部との関わりを持つことやルーティンワークをコツコツとしながら基礎能力を高め、常に問題意識を持ち、疑問の消込をしつつ「変化への挑戦」のマインドを持ち続けてください。

福間 均=島根県雲南市出身(67歳)2017年に現職に就任。
出張時には可能な限り時間をとって歩くようにしています。季節の変化もですが、変わりゆく街の様子や人の変化などを肌で感じるようにしています。デジタル化していく社会の中で、この肌感は重要であると考えており、仕事やプライベートでの感性の維持に役立っています。