―小児医療の提供体制を強化しています。
小児救命症例に対応する「地域小児救命救急センター」を新たに整備しました。新生児の開胸手術が可能な小児心臓血管外科を山陰で唯一設けているほか、「小児脳神経センター」では多彩な中枢神経系疾患の外科治療を担っています。小児期に発症し、成人期を迎えた患者を成人診療科に移して治療する「移行期医療」にも力を入れています。

―小児医療の重要性についてどう考えていますか。
少子高齢化が進み高齢者は多いですが、支えるのは若い人たちです。小児医療の充実は島根に暮らしている子どもや家族の安心につながります。「島根創生」を実現する上で産業や教育と同様に欠かせません。まれな疾患や外傷も島根で治療できる体制整備が進んだことはとても喜ばしいです。周産期医療は医師だけでなく助産師も不足し、喫緊の課題であり、提供体制を整えていきます。
 

 

―1月に「顔面・頭蓋底(ずがいてい)治療センター」を開設しました。
耳鼻咽喉科・頭頸部(とうけいぶ)外科、脳神経外科、歯科口腔(こうくう)外科、眼科、形成外科による連携が強みです。腫瘍や外傷などに対して多様な外科治療をチームで提供します。機能面や外見に配慮し、患者の生活の質向上につなげます。教育面では、お預かりしたご献体を用いて手術に即した解剖を再確認できる「CSTセンター」があり、学生の皆さんに興味を持ってもらいたいです。

―医師を派遣する県内唯一の医療機関です。地域医療の課題とどう向き合いますか。
医師不足や偏在が続く中、地域を支える開業医の高齢化が進んでいます。県内の病院への医師派遣や医師の働き方改革に取り組む「地域医療政策センター」が中心となり、医師の分布や年齢といったデータを分析した上で、医師を育成して適切に地域へ派遣していきます。また、幅広い診療を担う総合診療医の教育にも力を入れています。病院間の連携や遠隔診療なども組み合わせて、切れ目のない医療を提供します。

 

人生は長いようで短い。であれば、瞬間瞬間を大事に生きることは重要である。
多様性を求められる時代になり、個々の思いは得てして軽視されがち、そのように見えるかもしれない。そうではない。
チームは、個々の力の集積であり、それをうまく統合したものがチーム力であることを忘れてはいけない。”綺麗な言葉”の裏にある不確実性あるいは不都合な事実に惑わされることなく、自身の信念に沿って行動していただきたいと思う。
一志不退、しっかりと目的を見据えて前向きに人生を歩く、それが真の意味での”綺麗な言葉”の具現化である。

椎名浩昭=山口県出身(66歳)2021年4月に現職に就任。

趣味は魚釣りです。1年3カ月、隠岐にいたことがあり、そこで釣りを始めた時、陸から30センチぐらいのタイが2匹釣れました。それから毎日行くほどはまってしまいました。
船に乗って沖でよく釣りをしますが、海を見てるととても気持ちがいいですし、たとえ「坊主」であってもわくわくします。