
―2025年、初めて外国人人材を正社員として採用されます。
国内で理工系人材の獲得競争が激化する中、海外の優秀な人材を迎え入れようと5月に新卒者を含む8人のベトナム人材を採用します。会社になじんで活躍してもらうには、半分はわれわれの努力が重要だと思っています。ベトナムの文化や言語に触れる社内研修を24年度に9回開いて理解を進めているほか、日本で暮らすベトナム人材を3月に迎え、同郷の先輩として困り事を相談しやすい環境を整えています。
―社員の働き方をより良くしていくための社長直属の組織をこの春、新設されます。
「ソリューション準備室」としてスタートさせ、課題にメスを入れていきます。特に監督業など現場職は残業が多くなりがちで、従来の枠組みのまま改善しようとしても限界があります。既存社員にうまく伴走しながらよりよい働き方のための方策を検討・提案してもらい、若い人が夢を持って働ける明るい職場環境をつくっていきます。

―今、特に力を入れている事業領域は何でしょうか。
一つは、再生可能エネルギーを中心とした地域に必要なエネルギー問題を解決する事業を育てること。もう一つは「住まいのおたすけ隊」を、より地域に根差した存在として進化させることです。地域に張り巡らせたネットワークを生かし、例えば独居高齢者の安否確認や交通、買い物支援など「地域インフラ業」として何か役に立てる領域があればと模索しています。
―25年のスローガン「あたりまえの毎日をつくる」に込められた意味を教えてください。
電気や給排水、空調といった設備工事を担う私たちは、毎日表だって感謝されるわけではありません。それでも、当たり前の毎日を支えているという使命感を、災害が頻発する近年強く感じています。これまで以上に社内で共有し、地域の皆さんに安心と安全を届け続けて、島根電工グループがあってよかったなと言ってもらえるようになりたいです。


いつの時代も新しいサービス、新しい分野を開拓してきたのは若い世代。企業の存在意義は若い人たちがチャレンジし、活躍できる場所を創ることです。我々の仕事は、地域の人々の毎日の暮らしや仕事を支えている大きな仕事です。その大事な仕事に携わっていることを誇りに思い、自分たちの仕事にやりがいを感じ「あたりまえの毎日をつくる」ことをともに取り組んでいきましょう。
野津 廣一 島根県松江市出身(55歳)2023年に現職に就任。 私は松江市の出身で学生時代を大阪で過ごしました。未来のエネルギー技術を研究する仕事に就きかけましたがなぜか迷いが生じ、方向転換し今の会社に入りました。社内では新しい部門の立ち上げや新事業の開拓に携わり、全国を駆け回ったことも。好物は「固定概念の打破」。
