島根県隠岐の島町が隠岐水産高校の町外出身生徒用の寮を新設した。西ノ島町も、海士町にある隠岐島前高校の生徒向けシェアハウスの建設を始める。両校は2030年の島根かみあり国スポの強化指定校になっており、寮の整備を打ち出して選手を確保したい考えだ。
隠岐水産の敷地内(島根県隠岐の島町東郷)に新設された寮は木造2階建ての延べ床面積730平方メートルで男子専用。2人部屋が15室ある。事業費は5億7400万円。
高校の寮を新設しない県の方針を受け、22年2月に卒業生会とPTAから出された新設を求める陳情が町議会で採択され、町が整備を進めてきた。
同校は06年度に7人だった県外出身の入学者が16年度は16人、21年度は30人に達した。島前や本土の県内出身者の入寮もあり、既存の施設(定員男子64人、女子10人)では足りなくなったため、23~24年度は町がホテルの別館を借り上げ、男子16人が入居した。
島根かみあり国スポの相撲、セーリングの強化指定校となっており、青山顕紹校長は「生徒を募集する際に余裕ができ、国スポを目指す生徒も呼び込める」と感謝した。
西ノ島町は、同町別府の1300平方メートルの敷地に4人部屋8室のシェアハウスを25年度に着工し、27年度からの入居を目指す。事業費は7億3千万円。坂栄一秀町長は「島前3町村一体で高校魅力化に取り組む。町外出身の高校生と町内の子どもたちが交流して刺激になるといい」と話した。(鎌田剛)













