書籍企画の打ち合わせをする二木拓磨さん(左)と春香さん=松江市比津が丘3丁目、COME TREES
書籍企画の打ち合わせをする二木拓磨さん(左)と春香さん=松江市比津が丘3丁目、COME TREES

 松江市在住の夫婦が、出版事業を始めた。東京で夫が培った書籍の企画立案や編集業務のノウハウと、妻が地元の経営コンサル業で広げた人脈を融合し、企業経営者や会社員からの依頼に特化。ビジネス本、実用書を専門とし、夫婦は「山陰両県の経営者たちと全国の読者のご縁を紡ぎたい」と力を込める。

 二木拓磨さん(40)と春香さん(41)夫婦で、市出身の春香さんが社長を務める経営コンサル業、COME TREES(カムツリーズ、松江市比津が丘3丁目)内に出版部門「GOEN(ゴエン)出版」を立ち上げた。

 神奈川県出身の拓磨さんは東京都で書籍の企画立案や原稿の編集、販促といった業務に従事。2011年に夫婦で松江市に移住した後も、首都圏と往来しながら100冊以上の書籍出版に携わり、個人向けセミナーも開いてきた。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、県外への移動が困難になる中、地元での事業展開を模索。春香さんが事業を通じて持つ人脈を生かし、ビジネス本と実用書中心の出版業を始めることにした。

 春香さんが山陰両県でユニークとされる経営者に出版を持ち掛け、企画、原稿の編集などの出版業務は拓磨さんが担う。

 地域おこし会社「玉造温泉まちデコ」(松江市玉湯町玉造)の角幸治社長に声を掛け、6月下旬に出版した「玉造温泉の奇跡 観光ブランディング入門」は第1号。発売1カ月で約200冊が売れ、反応は上々という。

 7月下旬には島根県内の女性による湯治関連の書籍を発刊。拓磨さんは「地元で評判が広がり、全国の書店から声が掛かるような本を作りたい」と話した。

      (中村成美)