新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中、松江市内の飲食店や出雲市の商工団体が、夏場の集客策に工夫を凝らしている。3密回避を意識し、店舗間の往来を自由にする飲み放題イベントなどを展開。依然厳しい経営環境にある関係者が来店を願う。 (片山大輔)
松江市中心部にあるギルド(天神町)、天神キッチン(同)、ミスアガサ(寺町)の3店舗は連携イベント「TENJIN(テンジン) ビアーケード」を企画。アーケードが残る天神町商店街と周辺を舞台に、6日から9月末までの毎週金、土曜日の午後5~9時、飲み放題と各店舗ごとにディナーボックスを提供する。
コロナ禍を踏まえ、店舗前の歩道で飲食できるほか、店が混み、密を避けたくなった場合などに店舗間の往来を自由にした。事前予約制で料金は男性5千円、女性4千円。ミスアガサの曽田邦之店主(56)は「歴史ある商店街で飲食を楽しんでほしい」と話す。
出雲商工会議所は飲食店支援に向け、参加店舗の利用者を対象に抽選で300人に3千円分の食事券が当たるスタンプラリーを始めた。
8月末までに市の「感染症対策取組店」のうち、参加登録店で500円以上使って会計時にスマートフォンなどでQRコードを読み取り、5店舗を巡ると応募が1回できる仕組みだ。
現在、約60店舗が参加登録。感染状況によって中止の可能性があるが、市内の飲食店の経営は厳しさを増しており、出雲商議所産業振興課の樋野晶美課長は「少しでも飲食店を応援してほしい」と呼び掛けた。
「TENJIN ビアーケード」の事前予約はギルド、電話0852(40)9082。