「地方創生はライフワークだ」と語る石破茂首相=東京・永田町、首相公邸
「地方創生はライフワークだ」と語る石破茂首相=東京・永田町、首相公邸

 自民党総裁を退いた石破茂首相が11日、山陰中央新報社の単独インタビューに応じ、約1年の政権運営を振り返った。看板政策の地方創生は「ライフワークだ」と述べ、東京一極集中の是正に向けて都市と地方の両方に利点のある方策を研究する考えを示した。

 9月7日の退任表明会見で「大胆で強力な取り組みが必要だった」と省みた東京一極集中の是正の具体策として、都市に偏る財源の是正と、市町村合併で行政力が低下したとする自治体を支える組織の創設を挙げた。女性や若者に選ばれる中小企業づくりを国が支援する必要性も説いた。

 自身が残したレガシー(遺産)は「(少数与党下で)熟議の国会かくあるべしと示せた」と強調。国会運営で野党にも納得をしてもらうために「答弁書を読まずに思いを伝えた」と回顧した。今年の通常国会で政府が提出した法案が59本中58本、条約全13本が成立したことに触れ「国会が一度も止まらず、内容のある議論ができた」と誇った。

 良好な関係を築いた公明党の斉藤鉄夫代表(島根県邑南町出身)が10日に自民との連立離脱を表明したことに関しては「『政治とカネ』問題(への対応)より、互いに理解し尊重し合う、(選挙協力の)損得だけではない世界にもう一度戻っていかないと駄目ではないか」と指摘した。 (原田准吏)