松江署は22日、松江市内の60代男性が、警察や検察をかたるおれおれ詐欺で現金8219万円をだまし取られる特殊詐欺被害に遭ったと発表した。県警が発表した1件あたりの被害額では、2025年3月に発表した過去最悪の9804万円に次ぐ2番目となった。

 同署によると、昨年12月20日、男性の携帯に警視庁捜査2課の八代と名乗る男から「兵庫県警が捜査している事件にあなた名義の口座が使われていて、容疑者として捜査対象になっている」と電話があった。

 八代から事件番号などを伝えられた男性は本物の警察官だと信じ込んだ。直後に兵庫県警捜査2課の坂井と名乗る男から電話があった。兵庫県警まで出頭するよう求められ、男性が断ると電話での捜査協力に応じるよう言われた。

 坂井は「あなたの財産が犯罪収益でないかを調査する。終わったら返金する」と伝え、電話を替わった検事を名乗る男に保有している銀行口座や預金残高を伝えた。

 その後、犯人側からLINE(ライン)のアカウントを登録するよう指示され、やりとりをするようになり、相手の指定口座に12月26日から1月16日までの間、18回にわたって計8219万円を振り込んだ。

 男性は1月16日に495万円を振り込んだ後、相手から定期預金を解約するよう指示を受けて不審に思い、松江署に相談。詐欺だと発覚した。