民間譲渡に向けて事業者の公募が始まる、うなばら荘=鳥取県日吉津村今吉
民間譲渡に向けて事業者の公募が始まる、うなばら荘=鳥取県日吉津村今吉

 鳥取県日吉津村今吉の温泉保養施設「うなばら荘」の民間譲渡に向けた事業者の公募が16日に始まる。経営する鳥取県西部広域行政管理組合が、事業性や雇用を通じた地域貢献度などを審査し、11月をめどに優先交渉権者を決定する。2022年3月末に閉館し、同年5月以降に譲渡する。

 本館(鉄筋コンクリート一部2階建て、延べ床面積約3千平方メートル)や庭園、ゲートボール場といった関連施設を民間事業者に売却する。不動産鑑定評価額に基づく参考価格は約4160万円。職員駐車場を含めた約1万3千平方メートルの敷地は、所有する村が年額約430万円で貸し出す。

 応募条件などの要項を組合ウェブサイトで11日に公表した。参加締め切りは9月17日。組合が立ち上げる選定委員会が、法人や法人グループの事業提案を審査して絞り込む。

 高齢者向けのうなばら荘は1974年に営業開始し、94年に全面改築。売上高は95年度の5億1300万円をピークに、新型コロナウイルス禍前の2018年度は1億6200万円に落ち込んだ。

 改築時の起債償還や施設の老朽化に伴う改修費も重くのしかかり、組合を構成する9市町村が一部を穴埋めしていた。20年の調査で複数の民間事業者から事業提案があり、21年2月に民間譲渡を決めた。

       (田淵浩平)