水神を移したみこしを台車に乗せ、大岩に向かう氏子=江津市桜江町川戸
水神を移したみこしを台車に乗せ、大岩に向かう氏子=江津市桜江町川戸

 江津市桜江町川戸地区で約500年続く「水神祭」がこのほど、江の川周辺であり、氏子20人が水神を移したみこしを台車に乗せて川沿いを進み、大岩に水神を帰した。

 同地区の太詔刀命(ふとのりとみこと)神社が毎年営む水難事故防止を祈願する祭り。水神は神社から江の川の上流で、800メートル離れた高さ20メートルの大岩に祭られている。三浦正典宮司(72)が大岩に向かい、「神迎え」の儀式をして迎えた。

 水神は神社で一晩を過ごした後、みこしに移され、氏子が台車に乗せて大岩の上まで進み、水神を帰した。

 神事では河原からみこしを船に乗せ、大岩まで川をさかのぼっていたが、船の老朽化と船頭を務める氏子の高齢化で現在は行っていない。三浦宮司は「川や水と密接な関わりがある地域。形式に変化があっても伝統行事としていつまでも続けたい」と話した。

 水神祭に合わせ、地元の小中学生ら30人による子どもみこしが約1キロを練り歩き、祭りを盛り上げた。(村上栄太郎)