米価の高騰が続く中、浜田市金城町の小国地区の稲作農家らが18日、農作業の体験イベント「小国ふるさと交流会」を地区の農地で開き、参加者が作業や食事を通じて中山間地域での農業の魅力に触れた。
地区外の人から米作りへの出資を募り、同地区では初めて実施する「田んぼ共同オーナー制」をPRする目的で企画。1口3千円につき地区で栽培したコシヒカリの新米5キロを秋に贈る仕組みで、農作業を手伝った回数に応じて出資金を値引きする。
交流会にはオーナーになることを検討する家族や大学生ら約80人が参加。草刈り、ヒマワリの種植え、山菜採りを体験した。草刈りは最新のリモコン機種などを操作。未経験者はエンジンのかけ方や刃を草に当てるこつなどを教わった。
農作業後は、地区の女性が手作りした山菜の天ぷら定食を食べながら米作りや地区の暮らしなどを意見交換した。
オーナー制に興味があり参加したという島根県立大地域政策学部1年の勝田陽登(あきと)さん(18)は「農作業は初めて。草刈りが想像より難しく苦労が分かった」と話した。地元農事組合法人の森本一孝代表(78)は「地区の景観を守る狙いもあり興味を持ってもらえるとうれしい」とした。(中村成美)