順調に育つウミネコのひな=出雲市大社町日御碕、経島(出雲市提供)
順調に育つウミネコのひな=出雲市大社町日御碕、経島(出雲市提供)

 ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている出雲市大社町日御碕の経島(ふみしま)(約4千平方メートル)で20日、ひなのふ化状況調査があった。昨年より74羽少ない543羽を確認し、例年並みという。7~25センチ程度の焦げ茶色のひながピーピーと鳴き、元気に育っている。

 出雲市が毎年3月に飛来数、4月に産卵、5月にふ化の状況を調べている。4月21日にあった産卵状況の調査では、前年比61個減の529個を確認し、例年並みだった。

 この日は市文化財課の職員3人と、ウミネコ生態調査専門調査員の浜田義治さん(82)=出雲市大社町杵築南=が島に渡り、ひなの数や未ふ化の卵数などを数えた。

 浜田さんによると、4~5月は強風の日が少なく、ふ化によい条件だったという。未ふ化卵は190個あり、ふ化のピークは5月下旬から6月上旬と予想されており「この先100羽以上はふ化するだろう。無事に育って旅立ち、来年も帰ってきてくれるといい」と願った。

 ひなは生後40~50日程度で親鳥と同じ大きさになり、7月中旬から下旬にかけて、東北や北海道方面に飛び立つ。11月下旬以降に日御碕周辺に姿を現し、2月下旬以降に繁殖のため経島に戻ってくる。

(黒沢悠太)