巣の卵を守るウミネコ=出雲市大社町日御碕、経島(出雲市提供)
巣の卵を守るウミネコ=出雲市大社町日御碕、経島(出雲市提供)

 ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている出雲市大社町日御碕の経島(ふみしま)で21日、出雲市が産卵状況を調査した。前年比61個減の529個を確認し、例年並みの産卵状況で、穏やかな天候が続けば今後来月上旬にかけてふ化が始まり、下旬にピークを迎える見込み。

 ウミネコ生態調査専門調査員の浜田義治さん(82)=出雲市大社町杵築南=と市文化財課職員の計4人が島に渡り、繁殖エリア(約2220平方メートル)の一部区画約340平方メートルで卵や巣の数を調べた。

 巣は8カ所減の241カ所あり、薄茶色の卵の平均は1カ所当たり2・19個(前年2・40個)だった。直径約7センチで今月上旬ごろから産卵したとみられる。

 3~4月は寒暖差が激しかったが、浜田さんは「影響は感じられず、卵の数は過去30年の平均と同じだった。通常2~3個産むが、まだ一つしかない巣も多く、今後さらに増える可能性がある」と話した。

 ふ化の状況は5月20日ごろに調査する予定。昨年は617羽を確認した。(佐野卓矢)