東京電力福島第1原発事故の発生から丸3日が過ぎた2011年3月14日夕刻から夜にかけ、地震・津波・原発事故の「トリプル危機」の司令塔である首相官邸は不穏な空気に包まれた。

 「14日夕、事故発生から一度も姿を見せなかった経済産業省の松永和夫事務次官が官邸内を突如行き来し始めた。首相秘書官らと協議するためだったと思う。また同日夜には、東電の清水正孝社長から海江田万里経産相と枝野...