建て替えに伴い解体される島根県邑南町中野の公立邑智病院旧本館棟で救助訓練があり、救助隊員らがロープを使い、宙づり状態の人らを救出する手順を確認した。
訓練は江津邑智消防組合が実施。橋の下で橋を点検する最中に体調を崩した作業員や、高所作業中に落下し宙づり状態になった作業員の救助を想定した。高さが10メートルある2階建ての旧本館棟屋上からロープを使い、壁面にある窓や突起物に注意しながら、要救助者役の隊員の救出に向かった。
救助する隊員は屋上の隊員と声をかけ合って、担架を下ろし要救助者と共に引き上げた。宙づりの人には隊員2人で5本のロープを使い分け、担架に固定して慎重に引き上げた。
病院は2024年10月に新本館棟で診療が始まり、1983年建設の旧本館棟は6月半ばに解体工事が始まる予定。組合が訓練での使用を病院に打診し実現した。組合消防本部の平木計消防司令補は「普段の訓練棟とは違い、現場と同じ緊張感を持てた。隊員の良い経験になった」と話した。
(吉野仁士)