島根県隠岐の島町下西の玉若酢命神社で5日、島後三大祭りの一つで、県指定無形民俗文化財「御霊会(ごれえ)風流(ふりゅう)」が営まれた。町内8地区から集まった神馬が馬付き6人と拝殿を目指して疾走し、観客を沸かせた。
天下泰平と五穀豊穣(ほうじょう)を祈る祭りは、隠岐諸島にある神霊を総社に集めて御霊会を催すのが由来。午前中は東郷、飯田、大久、加茂、有木、原田、西郷、下西の各地区の神馬が家屋や事業所を回った。
各神馬が神社周辺に集まり、午後3時すぎに祭りの最高潮となる馬入れ神事が始まった。馬付きの男性6人が鳥居をくぐり、緩い坂道となった約100メートルの参道を神馬とともに全力で走り抜けた。町内外から集まった2千人が、迫力ある8頭の走りに歓声をあげた。
神職や町内の神社氏子らが長い行列を作り、約250メートル離れた御旅所まで歩き、神馬と馬付きたちも続いて坂道を駆け上がった。
民間交流で訪れた「駅鈴で結ぶ松阪市・浜田市・隠岐の島町友好の会」顧問の竹本博志さん(74)=三重県松阪市=は「隠岐には10回ほど来ているが、初めて見て感激した。伝統がずっと続いてほしい」と話した。
(鎌田剛)