停滞する前線の影響で、山陰両県は今後も大雨が続く可能性があり、避難の備えが必要だ。島根県立大看護栄養学部の渡辺克俊講師(災害看護)は事前の準備と早めの避難行動を説く。

 事前に必要なのは、ハザードマップで自宅にどういう被害が想定されるのかを確認しておくこと。万一の際は避難所のほか、自宅の2階、安全な知人宅など選択肢がある。「被害を想定し、あらかじめ決めておくと良い」という。

 避難所に行く場合に最低限必要な物品は貴重品、印鑑、通帳、携帯電話に加え、衣類、洗面用具、生理用品、軍手、ラップ、飲料水(持ち運びできる500ミリリットル程度)、モバイルバッテリー。洗面用具は、歯ブラシのほか、口腔(こうくう)洗浄液があると、口の不衛生からの肺炎を防げる。

 飲んでいる薬とお薬手帳、コンタクトレンズや入れ歯なども必需品だ。自分しか使わない物は借りることもできないため、家を出る際は注意だ。

 新型コロナウイルス禍のため、マスク、フェースシールド、アルコール消毒といった感染防止対策グッズも必要だ。

 自治体の避難指示が遅くなるケースもある。「避難情報が出る前に避難しても良い。いつでも出られるように、早めに準備をしておいてほしい」と訴える。 (松本直也)