見頃を迎えたハナショウブを楽しみ、コイに餌を与える観光客=島根県津和野町後田、殿町通り
見頃を迎えたハナショウブを楽しみ、コイに餌を与える観光客=島根県津和野町後田、殿町通り

 国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されている島根県津和野町後田、殿町通りでハナショウブの花が見頃を迎えた。通りを彩る約1200本の紫や白色の鮮やかな花々が観光客の目を楽しませている。今月いっぱい楽しめるという。

 ハナショウブは明治の文豪・森鷗外も通った藩校養老館や津和野カトリック教会がある殿町通りの掘割200メートル沿いに咲く。爽やかな風に揺れる花弁と優雅に泳ぐコイの姿に、観光客が足を止めて見入った。

 同町商工観光課が3年に1度植え替え、毎月、土の酸性度を計測するなど管理をする。堀重樹課長は「殿町通りは津和野の観光中心地。ぜひ名菓などと一緒に花盛りを楽しんでほしい」と呼びかけた。

 益田市出身で毎年、ハナショウブを見るために津和野町を訪れるという東京都在住の中村弥寿義(やすよし)さん(72)は「この時季の津和野町が一番すてきだ。コイと花の鮮やかな色合いがたまらない」と写真に収めていた。(堀尾珠里花)