島根県隠岐の島町で12日、修学旅行で訪れた大阪市立墨江丘中学校(大阪市住吉区)の3年生170人が、職場見学や体験学習をし、地元の中学生との交流や地域課題の解決に向けた提案をした。
修学旅行は2泊3日の日程。担当した3年学年主任の尾松大義(ひろよし)教諭(39)は地方創生の時代に地域活性化を考えることができる旅行先を探していた。
同町は大阪府豊中市と野球で交流する。尾松教諭は同市出身で、父親がシニア野球で隠岐チームと対戦して隠岐の紹介を受けた。探究学習が主体の修学旅行先に適していると判断した。
11日は牛突きなどの観光をし、12日はイワガキ養殖の見学や隠岐病院で離島医療の現状を学んだ。海岸清掃や町役場で課題解決に向けた提案発表をする班もあった。尾松教諭は「生徒には町民や移住する人の気持ちになって取り組むよう伝えた」と話した。
同町飯田の塩浜海水浴場では1年をかけてオンラインで交流してきた西郷南中の2、3年生62人と墨江丘中の40人が火おこしをしてカレーを作り、ともに海水浴を楽しんだ。墨江丘中の渡辺茉緒(まお)さん(14)は「大阪では感じられない自然があり、幅広い交流ができた」と喜んだ。
町観光協会によると、今年は東京都内の高校2校の修学旅行が決まっている。(鎌田剛)