顕彰会会員(右)から感謝状を託される代表生徒=島根県隠岐の島町中村
顕彰会会員(右)から感謝状を託される代表生徒=島根県隠岐の島町中村

 島根県隠岐の島町出身の儒学者、中沼了三(1816~96年)が創設した「文武館」が前身となる、奈良県立十津川高校(奈良県十津川村)の生徒がこのほど、修学旅行で同町中村にある中沼の生家跡を訪れた。町内への修学旅行は20回目で、隠岐の島町の顕彰会は発案した十津川高校の元教諭2人に対する感謝状を生徒に託した。

 2年生17人と教諭5人は生家跡の顕彰碑前に並び、入島式に臨んだ。顕彰会の会員が歓迎の言葉をかけ、修学旅行のきっかけをつくった元教諭に渡す感謝状を代表生徒が受け取った。生徒たちは近くの海水浴場に移動し、取れたてのマダイやサザエなど海産物のバーベキューに舌鼓を打った。

 田島迅人さん(17)は「普段は寮暮らしで新鮮な魚介類を食べる機会が少なく、本当においしかった」と喜んだ。

 中沼は中村の医家で育ち京都で学問に励み孝明、明治両天皇の侍講を務めた。孝明天皇の勅命を受け1864年に十津川で文武館を開いた。同校は6月、隠岐の島町民を招き創立160周年記念式典を開いた。(鎌田剛)