床下浸水した自宅の床板をはぐって乾燥させる渡富男さん=江津市桜江町大貫
床下浸水した自宅の床板をはぐって乾燥させる渡富男さん=江津市桜江町大貫

 江の川の氾濫に見舞われた島根県内の下流域では15日から、住民が土砂の除去や家財道具の片付け作業に追われた。疲労が蓄積する中、17日にかけて再び激しい雨が予想され、被災者は息つく間もない警戒を強いられた。

 氾濫した江津市桜江町の田津集落にある坂根虹さん(47)の自宅は、床上約50センチまで水に漬かった。会社の同僚らの手助けで、玄関や居間の泥の撤去や雑巾がけをした。木材が腐食する恐れがあり、リフォームを検討するという。

 2018、20年にも浸水被害に遭った坂根さんは「雨が降ると不安で、つらい。何とかしてほしい」と険しい表情を浮かべた。

 対岸の大貫集落の渡富男さん(77)は、床下が浸水した。カビや雑菌が繁殖しないよう、畳を上げて床板をはぐり、乾燥、消毒作業をした。

 ここ数日、夜は川の様子が気になってよく眠れず、昼間は力仕事が続く。疲労が重なる中で、再び大雨の予想が出ており「うんざりするが、気を抜かず備えるしかない」と話した。  (福新大雄)