第四章・公儀と大名(27)

 

「お庭先を汚(けが)し……、申し訳ございませぬ」

 主(しゅ)馬(め)が雪の庭に平伏し、弱々しい声でわびた。忍び装束を着た背中には、二本の棒手裏剣が深々と突き立っていた。

「主馬、ど...