施錠されたドアの開放訓練に取り組む消防隊員=島根県邑南町中野、公立邑智病院
施錠されたドアの開放訓練に取り組む消防隊員=島根県邑南町中野、公立邑智病院

 建て替えに伴い解体される島根県邑南町中野の公立邑智病院旧本館棟で18日、江津邑智消防組合の消防隊員らが放水や施錠されたドアの開放といった本番さながらの救助訓練に取り組んだ。

 放水訓練では病院1階からの出火と、炎上中の病院2階に要救助者がいるとの想定で、放水した。木造建築の天井を破壊しないよう、窓枠を狙った消火方法や、要救助者の背後に放水することで水のカーテンをつくる方法を確認した。

 病院内では施錠されたドアをこじ開けるための器具を使い、ドアの開放訓練をした。めったにできない訓練のため初めて実践で取り組む隊員もいた。ドアの構造や内開き、外開きの違いなどに苦労しながらも全員が開放を成功させた。

 病院は解体工事が始まり、消防組合が訓練での使用を打診し実現した。放水訓練は壁や山林に向けてすることが多いという川本消防署の三上智之さん(39)は「建物に放水した際、水の跳ね方や放水の反動などの感覚を体験できる貴重な機会だった」と話した。(吉野仁士)