第五章・政重(まさしげ)帰参(7)

 

「上様が私を怨(うら)まれるとは、どういうことでしょうか」

 本多正信(まさのぶ)の思わぬ発言に、利長は当惑した。秀忠は情理をわきまえた気配りができる将軍だと思って...