障害の有無にかかわらず、音楽を楽しむ「とっておきの音楽祭」が26日、島根県隠岐の島町内で開かれる。「心のバリアフリー」をテーマに県外から聴覚障害のあるミュージシャンが出演するほか、隠岐諸島や松江市からも地元のバンドや音楽愛好家が集まる。8時間の長丁場で、出演者は最高のステージを届けようと練習に励んでいる。
「とっておきの音楽祭」は2001年に仙台で始まり、誰でも楽しめる音楽ステージとして全国25カ所で開催されてきた。
4年前、同町東郷のシンガー・ソングライター広江政仁さん(72)が作詞作曲した「隠岐の風」の音源を広江さんの親戚経由で入手した名古屋のミュージシャンが気に入り、交流が始まった。全身不随の経験者や難聴のミュージシャンが頻繁に隠岐を訪れて親睦を深め、名古屋や関西で開催していた音楽祭を隠岐でも成功させようと、広江さんたちに持ちかけた。
同町内からは広江さんのバンド「こもKoRo(+むつみ)」など9組、海士町、西ノ島町各1組、松江市から2組が参加。大阪、兵庫、愛知から計5組がゲストとして訪れる。県外組は障害を持った人がステージに立ち、音楽に思いを乗せる。広江さんは「いろいろなジャンルのミュージシャンが来る。ぜひ聴きにきてほしい」と話した。
音楽祭は隠岐の島町西町、隠岐島文化会館で26日午前10時半から午後6時半まで。入場無料。
(鎌田剛)