新型コロナウイルス禍で史上初の1年延期となった東京パラリンピックは24日、国立競技場の開会式で幕を開ける。大会には159カ国・地域と難民選手団が参加の見通し。国内外で感染再拡大への危機感が広がる中、史上最多となる4500人規模の選手が一堂に会する障害者スポーツの祭典は、感染対策を徹底しながらパラスポーツ特有の運営課題にも向き合う難しいかじ取りを迫られる。
身体や視覚、知的障害者らが創意工夫を凝らして限界に挑戦するパラリンピックは、57年ぶり2度目の東京大会で16回目の開催。8日に閉幕した五輪の開催時よりコロナの流行は深刻で、大会関係者の行動範囲を制限し、外部との接触を絶つ五輪と同じ「バブル方式」の厳守が求められる。国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長は「コロナ対策を十分機能させることが最優先課題」と強調した。
大会組織委員会は22日、国内の感染状況悪化を受けて対策を強化する方針を表明。大会関係者のウイルス検査頻度を引き上げるなどの具体策を打ち出した。
コロナ禍で最小限に抑えられたテスト大会では、音に頼る視覚障害選手への配慮などパラ競技特有の課題が浮上。知見を十分に生かせるかどうかも大会成功の鍵となる。
各国・地域の選手団の準備も最終段階。254人が出場する日本は柔道とアーチェリーの代表が東京・晴海の選手村に入村し、車いすテニス代表は男子で期待の国枝慎吾(ユニクロ)らが初の公式練習に臨んだ。
開会式に向けた準備も進む。航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が予行で都内を周回飛行し、祭典へのムードを盛り上げた。