三重県で秋に開かれる予定だった国民体育大会と全国障害者スポーツ大会の中止が決まった25日、大会に照準を合わせていた島根のアスリートたちは、無念の思いを口にした。

 国体を部活や競技生活そのものの区切りにするとの思いでいたのが、夏の全国総体で活躍したカヌーの選手たち。

 全国総体のカヌースプリント・カヤックフォアの一員として、全国制覇を果たした島根中央高3年の小鑓亮太さん(18)は、島根県外から進学し、3年間島根で鍛えた集大成として位置付けていた。

 国体ではカヤックシングルで出場予定だった。「シングル200メートルは優勝できると思っていた。国体が高校最後の大きな大会だったので、悲しい」とやりきれない様子だ。

 同じ島根中央高3年の松岡華加さん(18)は、カヌーは高校生活までと決めており競技人生の最後の大舞台と意気込んでいた。全国総体でシングルの出場を逃したため「出られなかった悔しさを国体でぶつけてやろうと思って練習してきた」という。目前での中止決定に「コロナ感染拡大の中での判断で仕方がない部分もあるが、残念だという気持ちが大きい」と落胆した。

 全国総体で2校同時優勝だった横田高校の男子ホッケー部は、国体と冬の選抜の3冠奪取に向け順調なフタートを切ったが、戦わずして目標の切り替えを余儀なくされた。伊藤直登監督(34)は「冬の選抜大会を集大成として臨めるよう、日々の練習を頑張っていこうと選手らに言葉をかけたい」と切り替えた。

      (小引久実)