市販の解熱鎮痛剤の販売額推移
市販の解熱鎮痛剤の販売額推移

 新型コロナウイルスのワクチン接種の進展に伴い、市販の解熱鎮痛剤の販売が急増している。発熱や頭痛の副反応に備えるためで、8月前半の全国売上高は前年同期に比べ6割増加した。コロナ禍の生活様式の変化で頭痛を訴える人も増えており、製薬会社は正しい服用を呼び掛けている。

 調査会社インテージによると、解熱鎮痛剤は高齢者のワクチン接種が本格化し始めた5月以降に増加傾向が顕著となり、8月2~8日と9~15日の各週の販売額はそれぞれ18億円超に上った。前年実績は各11億円程度だった。8月上旬には感染者の増加で深刻な医療逼迫(ひっぱく)が伝えられた首都圏の伸びが特に大きかった。

 インテージの担当者は「副反応だけではなく、万一の際の自宅療養を見越した需要も膨らんだのではないか」と指摘している。

 第一三共ヘルスケアの「ロキソニン」の売り上げは8月に入って前年実績より7割増のペースという。「バファリン」を販売するライオンや「ナロンエース」を手掛ける大正製薬も増産対応している。

 第一三共ヘルスケアの調査では、約25%の人がコロナ禍前より頭痛の頻度が増えたと回答。その理由の上位には「テレビやスマートフォンの利用増加」「マスク着用」「運動不足」が順に並んだ。在宅勤務の広がりなど生活の変化が体調悪化につながっているとみられる。

 ただ、解熱鎮痛剤の利用には注意が必要だ。製薬各社は、ワクチン副反応について「予防的な服用は推奨されていない」とホームページに掲載。このほか長期の連続利用を控え、急性の頭痛は医療機関を受診するよう訴えている。