インド輸出に向け、ビーガン認証を取得した7蔵元の日本酒(提供)
インド輸出に向け、ビーガン認証を取得した7蔵元の日本酒(提供)

 鳥取県内の酒造会社7社が、動物性食品を一切口にしないビーガン(完全菜食主義者)向けの認証を日本酒11銘柄で取得した。世界2位の人口を抱え、菜食主義者が多いインド市場の開拓に生かす。

 鳥取県によると、2020年の県内の日本酒輸出額は約7千万円で、韓国や米国が主な輸出先となっている。人口約13億6千万人の巨大市場ながら、日本酒がほとんど流通していないインドを新たなターゲットに据え、諏訪酒造(智頭町智頭)など7社が4月に「チーム鳥取・インド輸出蔵元会」を結成した。

 突破口として、宗教上の理由などから菜食主義者が人口の約3割を占めることに着目。食品識別マークが一般的という助言を受け、6月にNPO法人ベジプロジェクトジャパン(東京都)のビーガン認証を取得し、輸出の下地を整えた。

 日本酒は米と米こうじで醸造するが、ろ過段階などで動物性タンパクを使用する場合がある。不使用の銘柄を選び、申請した。日本酒のビーガン認証取得は珍しい。

 年度内の輸出を目指し、今秋にもインド側の輸入販売事業者とのオンライン商談会を計画。作成中のリーフレットでは日本酒とともに、鳥取県も売り込む。

 事務局を務める諏訪酒造の東田雅彦取締役は「市場の大きなインドでの取引を軌道に乗せ、需要増加につなげたい」と話した。

 他の参加蔵元は稲田本店(米子市)、大谷酒造(琴浦町)、梅津酒造(北栄町)、元帥酒造(倉吉市)、山根酒造場(鳥取市)、中川酒造(同)。

      (部田寛孝)