書店の棚に並ぶ本のタイトルに「入門」「基礎」の文字を見つけると、ジャンルを問わず目がとまる。「初歩」や「一から学ぶ」もしかり。「教養としての◯◯」にも弱く、たいてい手を伸ばす。「入門」という言葉はこれから新しいことが始まる明るい可能性と自由を表してもいる。だから引きつけられるのかもしれない。

 映画「蔵のある街」(平松恵美子監督)は、大人から無...