稲を刈り取る野原幸雄さん(中央)=島根県奥出雲町大馬木
稲を刈り取る野原幸雄さん(中央)=島根県奥出雲町大馬木

 11月23日に宮中で営まれる新嘗祭(にいなめさい)に島根県を代表して献納するコメの収穫「御抜穂式」が12日、奥出雲町大馬木の献穀田であった。奉耕者の野原幸雄さん(67)ら関係者が手作業で、たわわに実った稲を刈り取った。

 奥出雲町からの献納は39年ぶり。5月4日に献穀田14アールにコシヒカリの苗を植え、こまめに草刈りをするなど丹精込めて育てた。夏季は高温少雨だったが水管理を徹底し、品質のいい仁多米ができたという。

 式には関係者約20人が出席。野原さんと妻の栄子さん(64)、糸原保町長らが6株ずつ鎌で刈り取った。乾燥させて精米し、10月下旬に、えりすぐりの1升を献納する。

 野原さんは「気の抜けない4カ月間だった。気象状況は厳しかったが、何とかこの日を迎えられてほっとしている。最良の状態にして献納したい」と話した。(福間崇広)